ファイルサイズに関するレポート

概要

Image Shieldライブラリによる画像処理において、ファイルサイズがどのように変化するかを詳細に分析しました。

測定結果

基本的なファイルサイズ変化

処理モード	元画像サイズ	処理後サイズ	変化率	変化量
元画像	92,093 bytes	-	-	-
シャッフルのみ	92,093 bytes	459,896 bytes	+399.4%	+367,803 bytes
シャッフル + 暗号化	92,093 bytes	1,208,653 bytes	+1212.4%	+1,116,560 bytes

詳細分析（複数画像による測定）

処理モード	元画像サイズ	処理後サイズ	効率 (bytes/pixel)	変化率
元画像	986,346 bytes	-	1.13 bytes/pixel	-
シャッフルのみ	986,346 bytes	1,370,678 bytes	1.57 bytes/pixel	+39.0%
シャッフル + 暗号化	986,346 bytes	3,528,425 bytes	4.04 bytes/pixel	+257.7%

サイズ変化の主要因

増加要因

1. フォーマット統一（最大の要因）

• 3チャンネル(RGB) → 4チャンネル(RGBA)：全ての画像がRGBA形式で処理される
• JPEG → PNG変換：JPEG画像がPNG形式で出力されることによる大幅な増加

2. フラグメント化オーバーヘッド

• 各フラグメントが独立したPNGファイルとして保存される
• PNGヘッダーの重複：各フラグメントにPNGヘッダーが必要
• ブロック境界での圧縮効率低下：小さなブロックは圧縮効率が悪化

3. マニフェストファイルの追加

• シャッフル版：約350-800 bytes
• 暗号化版：約350-800 bytes（暗号化情報の追加により若干増加）

4. 暗号化による追加オーバーヘッド

• 暗号化倍率：約2.57倍
• AES-256-CBCによる暗号化処理
• 追加データ：約157.4%の追加オーバーヘッド

減少要因

1. メタデータの削除

• EXIF情報の削除
• 色プロファイルの削除
• コメント情報の削除
• 画像によっては、メタデータが大きい場合に効果が顕著

2. 画像再圧縮による最適化

• PNG最適化による若干のサイズ減少効果

ブロックサイズの影響

100x100ピクセル画像（453 bytes）での分析：

ブロックサイズ	ブロック数	シャッフル版	暗号化版	ブロック使用効率
8x8	169個	3,652 bytes (+706%)	41,793 bytes (+9,126%)	92.5%
16x16	49個	2,255 bytes (+398%)	41,645 bytes (+9,093%)	79.7%
32x32	16個	1,783 bytes (+294%)	41,354 bytes (+9,029%)	61.0%

結論:

• より大きなブロックサイズの方がサイズ効率は良い
• しかし、ブロック使用効率（画像サイズとブロックサイズの適合度）は低下する
• 暗号化時のサイズはブロックサイズにあまり依存しない

画像タイプ別影響

高圧縮率画像（チェッカーボードパターンなど）

• 元画像が非常に小さい場合、処理後のサイズ増加率が極端に高くなる
• 例：1,644 bytes → 8,500倍以上の増加

低圧縮率画像（ノイズパターンなど）

• 元画像が大きい場合、相対的なサイズ増加率は抑えられる
• 例：855,889 bytes → 54%減少（シャッフル時）

グラデーション画像

• 中程度のサイズ増加
• PNG圧縮との相性により変動

実用的な考慮事項

サイズ効率の観点

1. 小さな画像：処理によるオーバーヘッドが相対的に大きい
2. 大きな画像：処理効率が相対的に良い
3. JPEG画像：PNG変換により大幅なサイズ増加が発生

セキュリティの観点

• シャッフルのみ：約40%のサイズ増加でセキュリティ効果を得られる
• 暗号化追加：約158%の追加オーバーヘッドで強力なセキュリティを実現

推奨事項

1. 大きな画像での使用：オーバーヘッドの相対的影響を抑制
2. 適切なブロックサイズ選択：16x16 または 32x32 が効率的
3. 用途に応じた処理レベル選択：
   • 軽度な保護：シャッフルのみ
   • 強力な保護：シャッフル + 暗号化

まとめ

Image Shieldによる処理では、以下の理由でファイルサイズが増加します：

1. フォーマット統一（RGBA PNG固定）
2. フラグメント化オーバーヘッド
3. 暗号化による膨張（暗号化時）

一方で、メタデータ削除による減少効果もありますが、増加要因の方が遥かに大きく、最終的には元画像の1.4倍（シャッフル）〜4倍（暗号化）程度のサイズになることが確認されました。