このリポジトリは、HashiCorp社のIaC (Infrastructure as Code) ツールである Terraform を、ゼロから体系的に学び、エンタープライズレベルでの実践的な運用スキルを身につけるための完全ガイドです。
単なるコマンドの羅列ではなく、「なぜそれが必要なのか?」 という設計思想やベストプラクティスに焦点を当てています。クラウドインフラの構築と管理を、より効率的、安全、かつ再現可能にしたいと考えるすべてのエンジニアに贈ります。
- Terraformを初めて学ぶクラウドエンジニア、SRE、バックエンドエンジニア
- AWS, Azure, GCPなどのクラウドサービスを手動で操作しているが、IaCを導入したい方
- Terraformの基本的な使い方は知っているが、チームでの運用やCI/CD、セキュリティについて学びたい方
- スケーラブルで保守性の高いTerraformコードの設計思想やベストプラクティスを知りたい方
- IaCとTerraformの基本概念: なぜIaCが必要なのか、Terraformのコアコンセプトと動作フロー
- HCLマスター: Terraformの言語(HCL)を使いこなし、動的でDRYなコードを書く技術
- スケーラブルな設計: プロジェクトの規模に応じたディレクトリ構成、環境分離戦略
- モジュール開発: 再利用可能なインフラ部品を作成し、コードの保守性を高める方法
- 状態管理(State)の詳解: チーム開発の要であるリモートバックエンドとStateロッキング
- CI/CDと自動化: GitHub Actionsを使ったPR駆動のテストと自動デプロイパイプラインの構築
- セキュリティとコンプライアンス: 最小権限の原則、機密情報管理、静的解析、Policy as Code
- 大規模運用のヒント: Terragruntによる効率化、コスト管理、パフォーマンスチューニング
- エコシステム連携: Packer, Ansible, Kubernetesなど、周辺ツールとの強力な連携パターン
- トラブルシューティング: よくあるエラーの原因と解決策
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第1章: Terraformとは何か?IaCの基礎を理解しよう
- 1.1 IaCが解決する課題
- 1.2 なぜTerraformか?
- 1.3 3つのコアコンセプト(宣言的構文, 状態管理, プロバイダ)
- 1.4 基本的な動作フロー(
init
->plan
->apply
)
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- 2.1 インストールとバージョン管理(tfenv)
- 2.2 クラウドプロバイダの認証設定
- 2.3 エディタと推奨ツール
- 2.4 最初のTerraformコードと
apply
までの流れ
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- 3.1 プロバイダ、リソース、データソース
- 3.2 変数(Variables)と
terraform.tfvars
- 3.3 出力(Outputs)
- 3.4 組み込み関数、三項演算子、for式
- 3.5 ローカル変数(Locals)でDRYなコードを実現
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第4章: 設計思想:Terraformで"正しく"作るために
- 4.1 イミュータブル(不変)インフラの考え方
- 4.2 ディレクトリ構成のベストプラクティス
- 4.3 環境分離戦略:Workspace vs ディレクトリ構成
- 4.4 依存関係の管理(暗黙的な依存と
depends_on
)
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- 5.1 モジュールの基本構造と呼び出し方
- 5.2 Module Sourceとバージョン管理
- 5.3
count
とfor_each
によるリソースの動的生成 - 5.4
dynamic
ブロックによるネストされた設定のループ処理
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第6章: 状態管理(State Management)の詳解
- 6.1 リモートバックエンドの重要性と設定方法
- 6.2 Stateロッキングによる安全な共同作業
- 6.3 Stateファイルの操作コマンド
- 6.4 既存インフラの取り込み(
terraform import
)
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- 7.1 CI/CDの設計(GitHub Actionsでの実践例)
- 7.2 PR/MR駆動のワークフロー
- 7.3 自動Applyの戦略と承認ワークフロー
- 7.4 IaCのテスト戦略
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- 8.1 IAMによる最小権限の原則
- 8.2 機密情報の安全な管理
- 8.3 静的コード解析ツール(tfsec, checkov)
- 8.4 Policy as Codeによるガバナンス強化
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- 9.1 TerragruntによるDRYな構成管理
- 9.2 複数リージョン・複数アカウント構成
- 9.3 コスト管理と最適化(infracost)
- 9.4 パフォーマンスチューニング
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- 10.1 プロバイダの認証・権限エラー
- 10.2 Stateファイルの不整合とロック問題
- 10.3 循環参照(Circular Dependency)
- 10.4 デバッグ手法(
TF_LOG
の活用)
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第11章: エコシステム連携:Terraformをさらに強力に
- 11.1 Packerと連携したゴールデンイメージ戦略
- 11.2 Ansibleとの連携
- 11.3 Kubernetes, Helm, Kustomizeプロバイダ
- 11.4 カスタムプロバイダ開発入門
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- 12.1 認定資格(Terraform Associate)
- 12.2 コミュニティへの貢献
- 12.3 学習を継続するためのリソース
各章は独立したマークダウンファイルとして構成されています。興味のある章から読み進めることも可能ですが、初めての方は第1章から順に読み進めることをお勧めします。
コードサンプルはコピー&ペーストして、ご自身のクラウド環境で実際に手を動かしながら試すことで、より深い理解が得られます。
このガイドは常に改善を目指しています。誤字脱字の修正、内容の誤りの指摘、より良い説明やサンプルコードの提案など、あらゆる貢献を歓迎します。お気軽にIssueを立てるか、プルリクエストを送ってください。
Happy Terraforming!