WebSocket サブプロトコル一覧

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🌐 WebSocket サブプロトコル一覧

WebSocket のサブプロトコルは、WebSocket 上で動作する「アプリケーションレベルのプロトコル」です。ここでは代表的なプロトコルの概要と、ユースケース別の構成例を示します。

補足

• WebSocket は「双方向チャネル」の役割を担い、メッセージ構造そのものは graphql-ws などのサブプロトコルに委ねられます。
• サブプロトコルは「どう話すか（構文やモデル）」を規定するもので、アプリケーション層の中でもさらに上位にあたります。
• このように、アプリケーション層は内部において機能的な分担があると整理できます。

🧱 TCP/IPモデルとのレイヤー整理表

WebSocket は TCP/IP モデルにおける「アプリケーション層」に位置づけられます。その上で動作する graphql-ws や mqtt などのサブプロトコルもアプリケーション層の一部ですが、「構文・通信モデル」の観点から、さらに上位・下位で整理されることがあります。

TCP/IP層	役割	具体例
アプリケーション層（意味的通信）	通信の構文・意味	GraphQL, MQTT, JSON-RPC
アプリケーション層（フレーミング）	双方向チャネルの確立・維持	WebSocket
トランスポート層	信頼性のあるデータ転送	TCP
ネットワーク層	パケットのルーティング	IP
データリンク/物理層	MACアドレス、無線・有線通信	Ethernet, Wi-Fi

📋 サブプロトコル一覧

サブプロトコル名	説明
graphql-ws	GraphQL over WebSocket。サブスクリプションの標準手段。
graphql-transport-ws	graphql-ws の後継プロトコル。構造化された安全な通信方式。
mqtt	IoT 向けの軽量 Pub/Sub 通信。WebSocket 経由で MQTT を利用可能。
wamp	Web Application Messaging Protocol。Pub/Sub と RPC 両方をサポート。
json-rpc	JSON-RPC over WebSocket。双方向のリモート呼び出しを可能にする。
soap	SOAP over WebSocket。企業向けレガシー連携用。
stomp	Streaming Text Oriented Messaging Protocol。主にメッセージングミドルウェア（例：ActiveMQ, RabbitMQ）と接続するために使われる。
cbor / msgpack	バイナリフォーマットによる高効率通信。独自実装に利用。
custom-protocol	アプリ固有の独自プロトコル（例: myapp-chat）を定義可能。

🔮 将来が期待されるサブプロトコル候補

サブプロトコル名	説明
mqtt-v5	MQTT の拡張バージョン。より強力な制御とメタデータを提供し、今後の IoT シナリオに最適。
coap-ws	CoAP（軽量HTTP類似プロトコル）を WebSocket 上で利用する試み。主に研究/実験段階。
graphql-transport-ws	GraphQL over WebSocket の次世代標準候補。すでに普及しつつあり、将来の主流に。※既に存在するが「今後注目」枠で強調。
grpc-websocket	gRPC-Web の WebSocket 対応構成。未標準だが、双方向通信用途で研究中。
wamp	Pub/Sub + RPC 両対応のプロトコル。今後 Web アプリ間連携での採用が期待される。※既に掲載済みだが注釈で強調。
amqp-ws	AMQP 1.0 を WebSocket 上で使う構成。Azure など一部クラウドで採用済。
xmpp-ws	XMPP の WebSocket バインディング。チャットや通知システムとの親和性が高く、復権の兆し。
iso11073-ws	医療機器向けデータ交換プロトコルを WebSocket 上で扱う構成。将来的な Web 医療デバイス連携での利用が期待される。

🧭 ユースケース別アーキテクチャ構成例

1. GraphQL Subscriptions（graphql-ws）

ユースケース

リアルタイムでデータ更新を受信（チャット、通知、株価表示など）

構成図（Mermaid）

graph TD
  Client[SPA<br>Svelte/React] -- "WebSocket (graphql-ws)" --> GraphQLServer[Node.js<br>Apollo Server]
  GraphQLServer --> DB[(PostgreSQL)]

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備考

• WebSocket は Sec-WebSocket-Protocol: graphql-ws を指定
• Apollo Server に graphql-ws ミドルウェアを追加

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2. IoT通信（mqtt）

ユースケース

センサーの値をリアルタイムに受信／制御（スマートホーム、温度監視）

構成図（Mermaid）

graph TD
  Device[IoT Device] -- MQTT/WebSocket --> MQTTBroker[EMQX or Mosquitto]
  MQTTBroker --> Dashboard[Web Dashboard]

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備考

• MQTT over WebSocket はポート 8083 などを使用
• Mosquitto 設定で listener を追加

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3. RPC風の操作（json-rpc）

ユースケース

クライアントがバックエンドAPIを双方向に呼び出す（リモート設定操作など）

構成図（Mermaid）

graph TD
  Client[Web App] -- JSON-RPC over WebSocket --> AppServer[Node.js or Python RPC Server]

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備考

• JSON-RPC 仕様に従ったメッセージで method, params, id を送信
• 双方向でクライアント→サーバ、サーバ→クライアント呼び出しが可能

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4. 独自プロトコル（例：myapp-chat）

ユースケース

チャットやコラボレーションアプリなど、アプリ独自の構造で通信したい場合

構成図（Mermaid）

graph TD
  Client[Chat UI] -- WebSocket (myapp-chat) --> WSHandler[Custom WebSocket Server]

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備考

• 独自プロトコルを定義し、サーバで Sec-WebSocket-Protocol を検証
• WebSocketライブラリでハンドリングを実装（Node.jsの ws など）

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5. メッセージングブローカー連携（stomp）

ユースケース

チャットアプリ、通知システム、バックエンド間連携など、メッセージキューを利用する構成。

構成図（Mermaid）

graph TD
  Client["Web Client (JS + stomp.js)"] -- STOMP over WebSocket --> Broker["Message Broker (e.g., RabbitMQ, ActiveMQ)"]
  Broker --> Worker[Consumer/Worker Services]

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備考

• STOMP over WebSocket は Sec-WebSocket-Protocol: stomp を指定
• RabbitMQ などのメッセージブローカーは STOMP を WebSocket 経由で提供可能
• クライアントには @stomp/stompjs ライブラリを利用

🔮 将来が期待されるサブプロトコル候補

🧩 一部のプロトコルは WebTransport 上で再設計される動きが見られ、WebSocket サブプロトコルとしてではなく、将来的に WebTransport 上の標準実装として採用される可能性があります。

サブプロトコル名	説明
mqtt-v5	MQTT の拡張バージョン。より強力な制御とメタデータを提供し、今後の IoT シナリオに最適。
coap-ws	CoAP（軽量HTTP類似プロトコル）を WebSocket 上で利用する試み。主に研究/実験段階。
graphql-transport-ws	GraphQL over WebSocket の次世代標準候補。すでに普及しつつあり、将来の主流に。※既に存在するが「今後注目」枠で強調。
grpc-websocket	gRPC-Web の WebSocket 対応構成。未標準だが、双方向通信用途で研究中。
wamp	Pub/Sub + RPC 両対応のプロトコル。今後 Web アプリ間連携での採用が期待される。※既に掲載済みだが注釈で強調。
amqp-ws	AMQP 1.0 を WebSocket 上で使う構成。Azure など一部クラウドで採用済。
xmpp-ws	XMPP の WebSocket バインディング。チャットや通知システムとの親和性が高く、復権の兆し。
iso11073-ws	医療機器向けデータ交換プロトコルを WebSocket 上で扱う構成。将来的な Web 医療デバイス連携での利用が期待される。
graphql-over-webtransport	GraphQL サブスクリプションや RPC を WebTransport の双方向ストリームで実現する構想。低レイテンシ・多重化に強み。
mqtt-over-webtransport	IoT 向け MQTT を WebTransport 上で実装。QoS やバイナリストリーム処理がしやすくなる。
wamp-over-webtransport	WAMP の RPC/Publish-Subscribe を WebTransport に移行し、多ストリームの効率化を図る設計。
grpc-over-webtransport	gRPC-Web の後継構成として、バイナリ通信とリアルタイム性を強化した RPC プロトコル構成が想定される。
json-rpc-over-webtransport	JSON-RPC をストリームごとに独立させることで、通信効率とエラーハンドリングを改善する WebTransport 版。