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@@ -423,7 +423,7 @@ <h4>小規模不均一データの機械学習と医療DX</h4>
423423
<div id="俯瞰情報生物学研究室-京大" class="section level3 col-md-12">
424424
<h3 class="col-md-12">俯瞰情報生物学研究室 @ 京大</h3>
425425
<p>新たな効率的世界中の生物学の分野ではDNAのシーケンシング技術の発明によりヒトゲノムが解読されてから、大量の情報が計測されるようになりました。それらはミクロな分子や細胞の情報から、マクロな個体レベルの情報まで多岐に渡ります。こうして得られた情報から新たな発見をするためには、ターゲットとなる生物の知識だけではなく、それらを解析するための情報科学や統計の知識が必要不可欠です。</p>
426-
<p>iPS細胞研究所において主たる研究対象であるiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞技術は、再生医療や疾患モデルの構築において多大なる貢献をしてきました。しかし、一般にもこれらの技術を普及させるためには、高額な費用問題の解決や安定的かつ高品質な細胞の供給が欠かせません。それには、より詳細な初期化・分化のメカニズムの理解と、それぞれの条件や患者さんやに適用した際の状態の高精度な予測を行うことが求められています</p>
426+
<p>iPS細胞研究所において主たる研究対象であるiPS細胞やES細胞などの多能性幹細胞技術は、再生医療や疾患モデルの構築において多大なる貢献をしてきました。しかし、一般にもこれらの技術を普及させるためには、高額な費用問題の解決や安定的かつ高品質な細胞の供給が欠かせません。それには、より詳細な初期化・分化のメカニズムの理解と、それぞれの条件や患者さんに適用した際の状態の高精度な予測を行うことが求められています</p>
427427
<p>また、iPS細胞の作成には効率的なスタンダードとなる作成方法はありつつも、異なる初期化因子の導入法や培地の利用など、各機関によってばらつきが存在します。こうした個人や機関に由来する様々なばらつきの特定と、それによらない生物学的シグナルの検出を、大量のデータを俯瞰的に見ることができる情報科学の力によって進めていきます。</p>
428428
<center>
429429
<img src="https://dl.dropboxusercontent.com/scl/fi/10e4ep5epd2ogfpvmjlpe/wallstickers.jpg?rlkey=cgnf17gxso7paktp2o70jqgq9&st=fpn2pgxs&dl=0" width=350/>
@@ -451,9 +451,24 @@ <h4>一細胞エピゲノム解析</h4>
451451
<div id="リプログラミング因子のカオス的挙動と協調的結合"
452452
class="section level4">
453453
<h4>リプログラミング因子のカオス的挙動と協調的結合</h4>
454-
<p>リプログラミングに関わる因子の多くは転写因子であり、DNAの特定のモチーフを認識して結合します。しかし、転写因子の結合箇所を調べるChIP-seqなどのデータを解析してみると、実はモチーフがあれば必ず結合するかというとそうではなく、少なくない数がモチーフを持たないような領域であることが知られています。
454+
<p>リプログラミングに関わる因子の多くは転写因子であり、周期的に遺伝子発現状態が変化している細胞に大量の因子をトランスフェクションすることで、その周期を抜け出し新たな細胞状態(初期化状態)へと変化することができるようになります。しかし、同じ細胞に同じようにトランスフェクションを行っても初期化される細胞とされない細胞がいたり、またそこから別の状態へ移行するなどのカオス的挙動を取ることが知られています。</p>
455+
<p>そもそも多くの転写因子は、DNAの特定のモチーフを認識して結合するものと考えられています。しかし、転写因子の結合箇所を調べるChIP-seqなどのデータを解析してみると、実はモチーフがあれば必ず結合するかというとそうではなく、少なくない数がモチーフを持たないような領域であることが知られています。
455456
また、リプログラミング因子のうちOct4/Sox2/Nanogは協調的結合をする因子であることが多くの研究から示唆されており、お互いがインタラクトしながら様々な遺伝子領域にアタックし、エピゲノム状態を大きく変化させることで遺伝子発現を短い期間で動的に変化させているのではないかと言われています。</p>
456-
<p>近年開発された様々な深層学習モデルをもってしてもなかなか精度の上昇が見られない転写因子の結合サイト予測を、転写因子の協調的結合と事前エピゲノム状態を考慮に入れることによって、細胞内で濃度依存的に起きる確率的な結合イベントを説明できるモデルの構築を目指しています。</p>
457+
<p>近年開発された様々な深層学習モデルをもってしてもなかなか精度の上昇が見られない転写因子の結合サイト予測を、転写因子の協調的結合と事前エピゲノム状態を考慮に入れることによって、細胞内で濃度依存的に起きる確率的な結合イベントと細胞状態の遷移を説明できるモデルの構築を目指しています。</p>
458+
<p>参考文献:</p>
459+
<ul>
460+
<li>Matsushita Y, Hatakeyama TS, and Kaneko K. <em>PRR</em>, 2022. <a
461+
href="https://journals.aps.org/prresearch/abstract/10.1103/PhysRevResearch.4.L022008">[link]</a></li>
462+
</ul>
463+
<p>PDF</p>
464+
<p>エピゲノムと生命 DNAだけでない「遺伝」のしくみ(ブルーバックス)<a
465+
href="https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0%E3%81%A8%E7%94%9F%E5%91%BD-%EF%BC%A4%EF%BC%AE%EF%BC%A1%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%8C%E9%81%BA%E4%BC%9D%E3%80%8D%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%BF-%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E5%A4%AA%E7%94%B0%E9%82%A6%E5%8F%B2-ebook/dp/B00POVFSA2">[link]</a>
466+
- <strong>Kawaguchi RK</strong>, Tang Z, Fischer S, Rajesh C, Tripathy
467+
R, Koo PK, Gillis J. <em>Briefings in Bioinformatics</em>, 2022. <a
468+
href="https://academic.oup.com/bib/advance-article/doi/10.1093/bib/bbac541/6957249">[link]</a>
469+
- Sheu YJ, <strong>Kawaguchi RK</strong>, Gillis J, Stillman B.
470+
<em>eLife</em>, 2022. <a
471+
href="https://elifesciences.org/articles/84320">[link]</a></p>
457472
</div>
458473
<div id="複雑なゲノム変異と疾患との関連を解明する"
459474
class="section level4">

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